FC2ブログ

Entries

第7章 終 局

≪65≫ かぐや姫 = その年の秋。夜半の満月を見上げた人は、びっくり仰天した。明るい月面から地上に一条の光が射し込み、その光に沿って和服姿の女性がゆっくりと登って行く。奇妙なことに女性は大きな黒い荷物を両手で抱えており、3-4分もすると見えなくなってしまった。 この天体ショーはSNSですぐに拡散。あくる日の新聞、テレビでも大きく報道された。見出しは「天に昇る美女」「かぐや姫の現代版」・・・。だが少なから...

第7章 終 局

≪64≫ 2100年 = 地球は22世紀を迎えた。早いもので、ぼくが地球に帰還してから、もう39年の歳月が流れたことになる。マーヤのおかげもあって元気に暮らしているが、御年なんと80歳だ。それに気になることがある。それは左胸のプレート。地球では着衣に隠れて見えないようになったが、裸になれば緑色の≪14≫という数字がくっきり。マーヤの黄色の数字は≪19≫だ。どうやらダーストン国の滞在期間と帰りの宇宙船に乗っ...

第7章 終 局

≪63≫ 記録 = 近ごろは朝のうち、パソコンの前に座っていることが多くなった。ダーストン国では数多くの人に会い、いろいろな施設を見学した。その都度メモをしたが、そのノートは帰りの宇宙船に持ち込ませてくれなかった。地球人にダーストン星のことを知られたくなかったからだろう。だが、あの5年間の経験は強烈だっただけに、ぼくはメモがなくても全部覚えている。ただ歳をとれば、記憶が薄れるかもしれない。そこでパソコ...

第7章 終 局

≪61≫ 世界 = けさのテレビ・ニュースは、中東で起きたテロと報復爆撃の様子を生々しく伝えていた。地球の異常な寒冷化で人類の存続が危ぶまれたとき、世界各国は一致して対応策の構築に努力した。だが脅威が去ると、状況は元へ後戻り。宗教的な色彩の強い地域的な戦争が、しばしば勃発。米中ロの3大強国は残り少なくなった資源の取り合いに狂奔。みな自国第一主義に走って、リーダーの風格を有する国は全く姿を消した。――ねえ...

第6章 ニッポン : 2070年代

≪60≫ SEX = 「医療技術がダーストン並みに向上しないと、医療や介護、教育や家事型のロボットは造れないわけなのね」と、マーヤがつぶやく。――そう。いまの機械的ロボットでも補助的な役割は十分に果たすけれど、人間の代わりにはならない。200年後にダーストン並みのロボットが出来るかどうか。それは子孫に任せるしかないだろう。「でも貴方の気持ちの奥底には、私のような人間的ロボットの普及には疑問があるんでしょう。...

Appendix

プロフィール

marya71

Author:marya71
FC2ブログへようこそ!

最新記事

フリーエリア

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
小説・文学
1431位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
SF
18位
アクセスランキングを見る>>

フリーエリア

フリーエリア

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR