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第5章 ニッポン : 2060年代

≪55≫ 使命感 = マーヤはJRリニア新幹線会社と協力して、相変わらず寝食を忘れて働いていた。と言って、ぼくが遊んでいたわけではない。ダーストン星での経験を活かして、どうしたら日本をもっと素晴らしい国に変えられるか。最近はそれがぼくの天職だと、ひしひしと考えるようになった。まず手を着けたのは、ヒト型ロボットの量産化だ。山梨県の実験工場の隣に、ロボット製造工場を建設した。2069年春のことである。そのこ...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪53≫ 主婦業 = マーヤは完全に、日本の主婦になった。ぼくの食事を作るために、町へ買い物に行く。そのために車の運転も始めた。自動運転車だが、まだ人間の補助が必要だ。ダーストン星のように、道路と側壁が車を誘導するシステムにならなければ、完全自動車にはならない。そうなるまでには、200年ぐらいかかるのだろう。ときにはマヤ工業の専務として、ビジネス相手とも付き合っている。明るく頭の切れる女性経営者だと、...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪51≫ 無償供与 = 机の向こう側にずらりと並んだJRリニア社の重役たちは、びっくり仰天。しばらくは開いた口が塞がらなかった。真ん中に座っていた副社長が「それでいいのですか」と、何度も何度も念を押した。JR側の技術者がマヤ社製の新しい路床を入念にテストした結果、その優れた性能が完全に確認された。このためJRリニア社は、新製品の購入を決定。その最終的な契約交渉の席で、ぼくとマーヤが「ダーストニウムと製造技術...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪50≫ マヤ工業 = マーヤが帰ってきたとたん、ぼくは急に忙しくなった。市役所に結婚届を出し、宝くじを買うため都内にもたびたび出かけた。そして会社の設立と工場の建設。会社名は前々から「マヤ工業」に決めていた。リニア新幹線に近い山梨県の土地は、予想外に安い値段で手に入れることが出来た。不況と人口減少が、地価を下落させていたのだろう。この土地に、全長80メートルほどの細長い工場を2棟建てた。設計図は細部...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪49≫ 再会 = 2062年3月1日の夜10時すぎ、ぼくは駅から家へ向かって歩いていた。まだ肌寒いが、おぼろ月夜。街なかを抜け小さな公園に差しかかったとき、後ろからハイヒールの足音が迫ってきた。直感的にマーヤではないかと思ったが、振り返るわけにもいかない。追い付いてきた女性が、低い声で囁いた。「ただいま」ああ、やっぱりマーヤだ。幸い人通りもなかったので、二人はそのまま抱き合った。マーヤは薄いベージュ...

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