FC2ブログ

Entries

第5章 ニッポン : 2060年代

≪54≫ 神の粉 = ある日、JRリニア新幹線会社のお偉方がやってきた。革命的な新素材の話はあっという間に海外にも広まり、共同生産したいという申し込みが相次いでいるのだと言う。そこで海外にも、あのダーストニウムを供給してもらえないかと頼みに来たのである。その辺のことになると、ぼくには何とも言えない。同席したマーヤの方を見ると、彼女は「結構です」ときっぱり返事した。ただ「海外の会社と共同で建設する工場の場...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪52≫ 救世主 = 地球は人間が自ら生み出した氷河期を抜け出し、かつての春夏秋冬を取り戻していた。しかし人々を取り巻く政治的・経済的な環境は、暗くて重苦しかった。アメリカと中国が覇権を競い合い、国連は機能を停止した状態。核兵器のおかげで軍事衝突こそ免れているが、2つの大国は重要な資源の獲得に血道を上げている。その結果、金属や食料などの価格が高騰。企業も個人も、物価高に悩まされている。特に原油の国際価...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪47≫ 奇跡の生還 = 気が付いたとき、目に入ったのは真っ白な天井だった。どうやら眠っていたらしい。4年間も眠り続けたのに、どうしてまた眠ってしまったんだろう。宇宙船が大気圏に突入する前、マーヤが差し出した黒い丸薬。地上の重力に早く慣れるための薬だと言っていたが、睡眠薬も含まれていたに違いない。ここは病院だ。その証拠に、女性の看護師が歩いてきた。でも残念ながら、マーヤではない。小太りのおばさん風だ。...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪46≫ 2061年12月 = まだ学生だったころ、真夏の日本アルプスを縦走したことがある。家に帰ると疲れ果てて、まる1日眠りこけた。そのときと同じ感覚で熟睡し、パッと目覚めたら可愛いマーヤの顔があった。ぼくの手首を握りながら「お早うございます。血圧も正常です」と言い、にっこり笑う。「もう起きてください。あと1時間で地球の大気圏に突入します。すべて予定通りですから、何も心配はありません」――えっ、もう4...

第5章 ニッポン : 2060年代

≪43≫ 絶対条件 = 「君の帰国は、これで本決まりじゃ。ただ1つだけ、絶対に守ってもらわなければならないことがある。それは地球に帰ったら、このダーストン星のことはいっさい口外しないこと。君がこの国で5年過ごしたことも、話してはならない。地球人にはダーストン国の存在を知られたくないからね。君は例のダーストニウム合金を地球に持ち帰り、太陽光発電を各国に広める仕事を始める。しかし仮に君がこの約束を守らない...

Appendix

プロフィール

marya71

Author:marya71
FC2ブログへようこそ!

最新記事

フリーエリア

カテゴリ

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
小説・文学
565位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
SF
4位
アクセスランキングを見る>>

フリーエリア

フリーエリア

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR