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第3章  経 済 が な い 世 界 

≪25≫ マネー全盛期  = 再び動く歩道に乗って、いちばん奥の部屋に戻る。そこでラフマが天井の一角を指さすと、部屋の雰囲気ががらりと変わった。展示されていたコン棒や弓矢が美しい色の貝殻や石に変わり、壁の大きな絵も古代人がウサギと貝殻を交換する図柄に一変した。「こんどは通貨の歴史です。貝殻や石などの自然物から、人間が鋳造した金属のコイン。さらに近世に入ると、中央銀行が発行する紙幣が使われるようになりま...

第3章  経 済 が な い 世 界 

≪24≫ コン棒からコンピュータ―へ = 歴史博物館は石造りの宏大な建物だ。天井が高い真ん中のホールは、運動会が開けるほどの広さ。そこから四方に幅広の廊下が突き出しているから、空から見ると大きな十文字型をしているはずだ。その1つの廊下の左側に経済資料館の部屋が並び、右側は科学資料館になっている。相変わらずラフマと腕を組んだままのショッピー館長と一緒に、動く歩道に乗っていちばん奥の部屋まで進んだ。古びたコ...

第3章  経 済 が な い 世 界 

≪23≫ ボランティア = 銀色のローブに身を包んだショッピー館長とロボットのラフマは、ぴったり身を寄せてテーブルの向こう側に座っている。こちら側のぼくとマーヤの間は、やや離れている。距離を詰めようかと迷ったが、思いとどまった。――でも館長、働いている人の給料はどうしているのですか。病院のブルトン院長や科学大学院のメンデール教授、それに貴女も。「この国では約3割の人たちが、たしかに働いています。でも、み...

第3章  経 済 が な い 世 界 

≪22≫ ピカピカの歴史博物館長 = 玄関前で出迎えてくれた館長は、陽の光に照らされて輝く銀色のローブを着た女性だった。すらりとした体形で、顔立ちはすこぶる整っている。全く同じ背格好の女性ロボットと腕を組んだまま、微笑みながらお辞儀をしてくれた。こちらも慌ててお辞儀をする。「よくいらっしゃいました。私が館長のショッピーです。このロボットはラフマ。生まれたときから一緒で、一心同体の関係です。どうぞ、よろ...

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