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第2章  ロ ボ ッ ト の 反 乱 

≪12≫ 関ケ原の合戦 = まるで子どものときテレビで見た関ケ原の合戦のようだった。手に手に棒のようなものを振りかざした無数の戦士たちが、広い草原を埋め尽くし殴り合っている。初めは人間だとばかり思ったが、よく見ると敵も味方もロボットだ。殴り倒されたロボットが、次々と草原に横たわる。音は消してあるが、怒号や悲鳴が聞こえてくるようだ。

5分ほどで壁に映された戦闘場面は消え、室内が明るくなった。ここは40階建てビルの最上階。天井がガラスのように透明な材料で作られているから、とても明るい。広い部屋には、いくつもの机や機械類が置かれている。壁や机の上には、訳の判らない数式が落書きのように。ずっと向こうの端では、何人かの人間とロボットが黙々と作業をしていた。

机をはさんで、科学大学院の学長メンデール教授が微笑んでいる。最初に両手を触れ合って挨拶したときに判ったのは、身長がぼくと同じ170センチぐらい。この国の男性としては小さい方だ。痩せ形で、顔は意外に小さく、なんだかアインシュタインに似ていなくもない。胸のプレートには「45」と書いてあった。

メンデール教授がゆっくりした口調で話し出す。
「賢人会のウラノス議長からは、できるだけ何でも説明するようにと言われています。で、きょうはロボットについて、お話ししましょう。その前に、時系列的なことをはっきりさせたいと思います」

さすがに、この人は科学者なんだと感心していると・・・。
「われわれの祖先が初めてこのダーストンの土を踏んだのは、いまから315年前のこと。そのときをダース元年と定めましたから、ことしはダース315年になります。宇宙船で運べた人は年に10万人程度でしたから、人口はなかなか増えず、新しい国の建設も進みませんでした。

そこで最初に到着した人々は、人間並みの能力を持つロボットの製作に全力を挙げたのです。ロボット技術はチャイコ星の時代に相当進歩していましたから、ダース20年のころには人間と全く同じ運動能力と知力を持つロボットの量産に成功しました。ところが後になって判ったことですが、当時の科学者たちは重大なことを一つ見落としていました。

ロボットの脳を設計する際、優秀な能力を有する人間の若者の脳を選んで細胞と神経回路をコピーしたのです。たとえば判断力、創造力、指導力などで優れた人の脳内構造を精密に移植しました。しかし、これだけ人間に近い能力を持つと、ロボットは自分でその能力を向上させることに気が付かなかったのです。

――要するに、自己学習するわけですね。
「その通り。その進展は非常にゆっくりなのですが、何年か経つとロボットの性格が変化して行くのです。特に支配欲が強くなったロボットが出現し、それが人間の知らないうちに大昔のヤクザのような組織を作り上げていました。そして、そういう組織同士が衝突した。それがさっきの映像です。ダース50年夏のことでした。私たちは、これをロボット戦争と呼んでいます」

                      (続きは来週日曜日)

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