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第2章  ロ ボ ッ ト の 反 乱 

≪16≫ マーヤの決断 = 数日後、マーヤが急に元気を取り戻した。以前のように話しかけてくるようになったし、動作も活発になった。こんなことを聞いたら怒るかなと思ったが、やっぱり聞いてしまった。

――ねえ、マーヤ。君はメンデール教授の話を聞いてから、何か考え込んだようだね。もしかして、人間の男性に結婚したい人でもいるのかい。

マーヤは珍しく大笑いをして、こう答えた。
「どこの星の男性も考えることは同じだわ。そんなことではありませんから、ご心配なく。ちょっと悩んだことがあったんだけど、もう決断したから、いいんです。えっ、その内容は言えません。それより、きょうは町の様子を見に行きませんか」

例の運転席のない完全自動車に乗って、町に出た。高速道路では300キロで走るこの車も、街中では30キロぐらいでゆっくりと走る。でも交差点に信号はない。
――これで、よく事故が起こらないものだね。
「この車もロボットの一種ですから、完璧な通信機能を備えています。およそ100メートル以内の車や人間を常に感知していて、スピードを調整しています。何かに衝突したなんていう話は、聞いたことがありません」

町といってもビルが密集しているわけではない。大通りの両側に、20-30階建てのビルが適当な間隔を置いて並んでいる。歩道には人やロボットが歩いているが、ゆったりと歩いているのは人間で、忙しそうに行き来しているのはロボットに多いようだ。その数はそんなに多くない。せいぜい1ブロックに数人といった程度だ。

何回か町に出て、とても奇妙に思ったことがある。というのも、建物の1階にはレストランや集会所みたいな場所はあるが、モノを売っている店が見当たらないからだ。

――この街には、食料や衣類を売っている店がないね。どうしてだろう?
「食べ物でも服でも家電でも、注文すればすぐ届けてくれるじゃないですか。だから、そんなお店は必要ない。あるのはみんなが一緒に食事できるレストラン、体操ができるジム、近所の人が集まって議論したりする集会所ぐらいなものですわ」

なるほど、この国には小売業というものがないんだ。ロボットやドローンが発達すると、そうなるのかもしれないな。でも買い物をする喜びも、なくなってしまうわけだ。きょうの新しい発見は、ちゃんとノートに書いておかなければ。

それにしてもマーヤは何を悩み、なにを決断したのだろう。気になって仕方がない。

                       (続きは来週日曜日)

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