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第2章  ロ ボ ッ ト の 反 乱 

≪17≫ バリアの技術 = きょうは郊外にある科学大学院のメンデール学長を再び訪ねた。市中の建物はだいたい20-30階建てだが、このビルは40階建て。群を抜いて高い。屋上に通信用のアンテナ類が林立している。車が正面玄関に着くと、女性ロボットが出迎えていた。マーヤをみると、とても嬉しそうにしている。ぼくには聞こえないが、何やら通信を交わしているように思われた。

40階の広大な機械室の一隅で、メンデール教授が待ち受けていた。挨拶もそこそこ、教授は満面の笑みをたたえて「いいニュースですよ」と言う。

「地球は完全に元の状態に戻りつつあります。データの解析をしたところ、赤道付近の気温は30度を超え始めました。東京やニューヨークの雪もほとんど融けています。もう1年もすれば、地球は完全に元通りになりますよ。地球ではいま、いろんな国のマスコミが連日この様子を大きく報道しています。もっとも原因については、首をひねっているようですが。はっはっは」

――でも、なんで冷却化が止まったのでしょう。全く不思議だ。
「わが国のUFOが6機、3年前から地球に派遣され、大気圏の上層部に溜ったメタンガスを強力な風力で吹き飛ばしたからです。その効果が、やっと現われました。もっとも同時にCO2なども吹き飛ばされたため、このままだと地球の温度は上がり過ぎてしまうでしょう」

――えっ、それでは一難去ってまた一難だ。こんどは温暖化で苦しむことになりますね。
「もちろん、その対策も考えてあります。UFOが数個の人工衛星を静止軌道に放出し、これらの衛星が特殊な金属粒子で作られたバリアを張ります。このバリアが太陽光線を、適当な強さにまで弱めてくれるはず。その程度を外部からコントロールすることで、地球上の気温を最適に保つことができるというわけです。どうぞ、ご安心ください」

――本当に、そんなことができるんですか?
「ええ、われわれは200年前の建国以来、ずっと宇宙空間にバリアを張る技術を研究してきました。当初の目的は、地球で言う台風やハリケーンのような暴風雨の発生を抑制することにありました。暴風雨に襲われると、この国は平坦な地形なために海岸線に近い土地が大きな被害を受けます。そこで南の海で暴風雨の卵が発生すると、その周辺の海水温を下げて発達しないようにする。つまり太陽光をバリアで調節してしまうわけです」

驚くべきダーストン国の科学技術力。開いた口が塞がらない思いだった。それにしても、このダーストン星の人々は、なんで地球にこんなに親切なのだろう。どうしても解らない。

                         (続きは来週日曜日)


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