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第2章  ロ ボ ッ ト の 反 乱 

≪20≫ 賢人会の裁定 = ある朝、マーヤが青い顔をして駆け込んできた。いや、マーヤの顔は赤くなったり、青くなったりはしない。ただ、とても慌ててやってきたことに違いはない。

「困ったことが起こりました。あのロージが『ロボットたちに、人間の女性と闘うように指令を出した』という噂が広がっているんです。本当だとすると、ロージはお仕置きされるかもしれません。どうしたら、いいでしょう」

――お仕置きって、どういうこと?
「よく判りませんが、たとえば捕まえられて電源を切られてしまうとか。メンデール教授の秘書を辞めさせられることは確実でしょうね」
――それは大変だ。でも、ぼくたちには、どうしようもない。しばらく様子をみよう。いろいろ情報を集めてくれないか。

数日後、科学院のウラノス院長から呼び出しがかかった。すぐに飛んで行くと・・・。
ウラノス博士は相変わらずの調子で、笑いながら話し始めた。

「ロージの件は、もうご存知だろう。賢人会にもいろいろ提訴があって、きちんと調べてみた。結論から言うと、全く問題なし。ロージは自分が流した情報をすべて記録していた。内容は『賢人会がロボットと人間の結婚について議論している』というだけのもの。それに尾ひれを付けて騒ぎ立てたのは、むしろ人間の方だった。したがって賢人会としては、この事実を公表しロージやその周辺のロボットたちに罪はないと裁定したんじゃ。

この件については、逆に君たちにお礼を言っておきたい。賢人会としても、いろいろ勉強になったからね。不確かな情報が伝わっていくうちに、確からしい情報に変わってしまう。昔からある人間社会の弱点だが、いまだに直っておらん。あるテレビ局などは『ロボットたちが気勢をあげるために、どこかに集結中』と報道し、『250年ぶりのロボット反乱か』という解説まで流したんだ。でも、これらはみんなフェイク・ニュースだった。

賢人会のなかでも、女性ロボットの母性本能を低下させたらどうかという意見も出たくらいだ。しかし、そうするとロボットの人間に対する献身的な働きが鈍る危険性がある。といってロボットが多くの若い男性と結婚すると、少子化が進んで人口不足になるだろう。ロボットは子どもを産めないからな。この問題については、賢人会もいろいろチエを出さなければならんのじゃよ」

その晩、ロージからも連絡があった。「余計なことは言わず、すべての通信を記録しておいたのは、地球人の貴方が忠告してくれたおかげ。助かりました。感謝しています」と、マーヤを通じて伝えてきたのだ。

ロージという女性ロボットは、なかなか頭もよさそうだ。こう感じたが、マーヤの前でその言葉はぐっと飲み込んだ。またマーヤが嫉妬するかもしれないと思ったからである。

                        (続きは来週日曜日) 

 
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